日本のハッカーは給料が安すぎる

日本のハッカーの平均給与

昨年、防衛省のセキュリティエンジニアの求人が話題となりました。
防衛省、サイバーセキュリティ担当の防衛技官を募集

上記事によると、「民間企業や官公庁などで、正社員・正職員として勤務した経験が通算13年以上ある人」を対象に、「東京都特別区に勤務した場合で、30万6000円。扶養手当、住居手当、超過勤務手当などが付く」という条件だそうです。年収換算で約367万円です。令和元年度の日本の平均給与が436万円であることを考えると、流石に低すぎると言えると思います。

一般的なデータについて見てみましょう。こちらのサイトを参照すると、平均しておおよそ年収600万円ぐらいだそうです。他のサイトでもだいたいそのような範囲に落ち着いており、妥当と言えそうです。新卒だともう少し低いので300〜400万円ぐらいに落ち着くのではないでしょうか。資格保持などで多少はアップしそうですが、それでも1000万円の壁を超えてくるのはかなりレアなケースだと思います。さてこの水準は海外と比較してどうでしょうか。

海外のハッカーの平均給与

US
ZipRecruiterによると、USでのEthical Hacker（日本でのセキュリティエンジニア）の平均給与は$119,289 / 年だそうです。これを現在のレートで日本円に換算すると、年収1260万円です。実に日本の平均給与の2倍です。平均なので、外れ値（要するにトップ企業の高収入ハッカー）の影響を受けやすいことを差し引いても、その差は歴然と言えるでしょう。（ちなみにUSの給与の中央値は525万円）

中国
salary explorerによる記事『Ethical Hacker Average Salary in China 2021』によると、Ethical Hackerの平均給与は26,300 人民元 / 月だそうです。これを日本円に直すと年収514万円です。なので、日本と同水準または低いように思われますが、「中国大都市における中高度人材の平均年収が300万円」超であることを鑑みると（日本は全国民平均で436万円）、日本よりも高いと言えるかもしれません。

UK
PayScaleによると、UKでのCertified Ethical Hacker（認定エシカルハッカー）の平均給与は£44,569 / 年です。これを日本円に直すと、年収634万円です。UKの平均給与が£30,800（日本円で441万円）であることを鑑みると、かなり日本の水準と近いと言えるでしょう。

8200部隊出身ハッカーの平均給与

さて、8200部隊出身のハッカーの給与はどれくらいのレベルなのでしょうか。弊社ハッカーのGonenに話を聞くと

平均してだいたい年収2500万円ぐらいかな。多くの人が部隊卒業後、名だたるテックジャイアント企業のオファーを受けますね。その中には自分でスタートアップを起こす人もいますし、そのオファーを受けて大企業で働き始める人もいます。そのような人は中でも出世が早く、僕の友人でもマネージャークラスがかなり多くいます。

と返ってきました。年収2500万円は明らかに各国の平均水準を超越しています。これが新卒同等でもらえるとなると驚きですね。さらに、TIMES OF ISRAELの記事によると、これにボーナスやキプロスでの別荘が付随するそう… もちろん彼らの能力や経験があってのことですが、羨ましい限りです。

ちなみに

ちなみに、Forbesの記事
給料はグーグル並み「年収1億円」以上のサイバー犯罪集団

によると、

セキュリティ企業Digital Shadowが公開したレポートで、ダークウェブで人材募集を行う犯罪者集団の報酬の提示額が明らかになった。彼らが提示する年間の報酬は100万ドル（約1.1億円）以上となっている。

と言われており、さらに年収が跳ね上がるダークな世界があるそうです。（本稿は決して、サイバー犯罪を助長するものではありません。）

終わりに

皆さんいかがだったでしょうか。「日本のハッカーは給料が低い」と一般的に言われますが、それは「USと比べて」の話で、一般的に見るとそれほど低い水準ではないことが分かります。それでもこのような状況が続くと国内のトップレベルハッカーがUSに流出し続けることになるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました！それではまた次回の更新をお待ちください！להתראות！（レヒトラオート！）